葬儀と告別式
ご葬儀の準備
ご葬儀の前にする準備としては以下のものがあげられます。
1.喪主、ご遺族代表の挨拶文
2.喪主、ご遺族・親戚、参列者の座席の配置
3.火葬（埋葬）許可証（火葬場で必ず必要です）
4.世話役代表、各種ご担当係へのお願いと打ち合わせ
5.弔辞をいただく方へのお願い
6.ご葬儀の進行係・司会者との打ち合わせ（進行係・司会者は、依頼した葬儀社の方が勤めることが多いようです）
・焼香の順番と弔電を読み上げる順番
・会葬礼状や心付けの準備
・火葬場の時間確認と配車手配 など
7.ご寺院（神社・教会）とのスケジュール調整
・ご葬儀に来ていただく時間と人数
・火葬場に同行していただく人数
・迎車の必要性の有無 など
8.会食の有無にあわせた準備
9.遠方より来られる方の宿泊先の対応
ご葬儀と告別式
仏式でのご葬儀は、ご遺族が故人の成仏をお祈りする儀式です。また告別式とは、ご遺族や故人と親しかった方が故人と最後のお別れを告げる儀式です。浄土真宗では、心身の死滅は同時に仏の願力により浄土へ生まれさせていただくことなので、ご葬儀は故人の生前を偲び、哀悼の念に基づいて行われます（宗派により意味合いが異なる場合があります）。ご葬儀・告別式の流れは以下のとおりになります。
1.一同着席
2.開式の言葉（進行係による）
3.僧侶（導師）入場
4.読経
5.僧侶のご焼香
6.喪主・親族・会葬者のご焼香（「焼香帳」に沿ってお名前が読み上げられる場合もあります）
7.僧侶（導師）退席
8.弔辞
9.弔電の読み上げ
10.喪主または親族代表による挨拶
11.閉式の言葉（進行係による）
※上記は仏式の一例です。
※神式の場合（概略）
神式の場合は、葬場祭、発柩祭、祓いの儀、火葬祭、埋葬祭、帰家祭、直会（ナオライ）＝会食と続きます。葬場祭の次第は、手水（チョウズ）の儀／斎主着席・喪主着席／献饌（ケンセン）／祭詞奏上／誄歌（ルイカ）奏楽／玉串奉奠（ホウテン）／斎主拝礼／一同退出となります。近親者らが霊柩を霊輿に移します。
※キリスト教の場合（概略）
カトリックの場合は、開祭（入祭の典礼賛歌／献香／集会祈願）、言葉の典礼（聖書第一朗読／詩篇／福音書朗読／説教／共同の祈り）、感謝の典礼（奉納祈願／奉献文／主の祈り／平和の讃歌／聖体拝領／拝領祈願）と進み、告別式、埋葬の祈りなどが続きます。 プロテスタントの場合は、奏楽、賛美歌、招詞（アーメン）、キリエ（神への呼びかけ）、詩篇頌、聖書朗読、賛美歌、故人略歴、説教、賛美歌、頌歌、祈り、得祷、祝福、弔辞・弔電、遺族代表挨拶、献花告別と進み、納棺の祈り、葬送の祈り、納骨埋葬の祈りなどが続きます。
出棺
ご葬儀後、出棺のため、お棺を祭壇からおろし、ご遺族とごく親しい縁者の方がお棺を囲み、お供えの花をご遺体の周囲に捧げます（別れ花）。その後、お棺に小石でお棺に釘を打つ「石打ち」（釘打ち）をします。
お棺はご遺族や親しい方の手で霊柩車まで運び、喪主はお位牌、ご遺族の一人が遺影を持ちます。お棺を霊柩車に乗せ終えると、喪主（または親族代表）は参列者に対し、感謝の言葉を述べ、お礼の挨拶をします。挨拶の間、遺族はお位牌や遺影を胸あたりに掲げて参列者の方へ向けます。その後、喪主、ご遺族、故人と近い関係の方の順で分散乗車し（またはマイクロバス）、火葬場へ向かいます。僧侶もご一緒していただくことがおおいようです。
火葬場では火葬場の係の方が、お棺を霊柩車から降ろしますので、喪主は係員に火葬許可証を渡します。火葬場ではお棺を火葬炉に移す前に、故人との最後のお別れを行います（納めの式）。僧侶が同行されているときは、読経を勤めていただきます。火葬には約1時間〜2時間前後を要します。
火葬が終わった後、骨あげ（拾骨）を行いますが、その作法は二人が一組になり、一緒に一つのご遺骨を拾い骨壷に納める作法、二人のうち一方がご遺骨を拾い上げ、もう一人の方に渡し、その方がご遺骨を骨壷へと納める作法があります。喪主と、次に故人の縁の深い方が一緒になり、またその他の方も故人と縁の深い方の順に一組となりご遺骨を拾い上げます。初めにご遺骨の歯、次に喪主ともう一人の方で喉仏を骨壷に納め、頭のご遺骨で蓋をします。この際に分骨をご希望の場合は、分骨用の骨壷を用意することになりますのであらかじめ葬儀社の担当者に伝えておく必要があります。
骨あげの後、係員から火葬済の証明印のある火葬許可証を受け取り骨壷と一緒にし、大切に保管します。火葬許可証は納骨するときに必要になります。
ご遺骨のお迎え
留守役は、お棺を見送った後、遺骨迎えの準備をします。部屋を整理し、火葬場から帰られるご遺族や縁者の方が、玄関先で塩と水で体（手）を清める準備をします。最近は、家の入り口にまいた塩の上を踏んで家に入る場合や塩を使わない場合もあるようです。
次に、ご遺骨をお迎えするため後飾りをした中陰壇の準備をします。中陰壇とは、火葬場から帰られたご遺骨を安置する祭壇ですが、小机を白布で被い、中陰壇とすることもあります。ご遺骨、白木の位牌、遺影を安置し、線香、ろうそく、供物などを添えます。
お葬式の後
ご遺族はお世話になった方への慰労と感謝として、会食のおもてなしをします。この会食をお斎（トキ）と言います。故人への供養としてご遺族は、酒や生ものを口にしないお勤めをします。このお勤めの期間は、忌明けまでです。そして、精進を終える日に精進落し（精進あげまたは忌中払い）の会食を催します。ただ近年、葬儀式後の会食や初七日法要の会食を精進落しの席とすることも多いようです。
最後にお世話頂いた方にお礼を述べ、引継ぎなどを確実に行います。なお世話役・会計係などの方から、各種受け取るものがあります。
1.香典と香典袋
2.香典・供物の控え帳
3.弔辞文・弔電
4.芳名帳・名刺
5.会計記録帳・残金
6.支払を立て替えていただいている方への清算
7.忘れ物の有無 など
また病院への支払を含め、臨終からお葬式に関わる全ての領収書をまとめ（領収書がない場合、詳細をメモとして残します）、僧侶とご親戚の方との間で、法要や納骨の日時などについてご相談しておきます。
